Q 事業計画は作ってみたいけど、どうもとっつきにくくて・・・
A 金融機関から融資を受ける際の事業計画書は、どんな業種にも適合するように定められた形式に沿って作成するものが多いのは確かです。今回は、社内用の簡易版の事業計画書の作り方のコツをお話しします。最初から難しく考えず、少しずつバージョンアップすれば良いのですから、気軽に始めてみましょう。
順序としては、
1 経営理念、長期目標の確認
2 現状実態の把握・原因追究
3 今期達成したい目標の決定
4 そのためにやるべき施策
というイメージでしょう。
Q いきなり難しくないですか?
A 確かに始めはとっつきにくいです。ゴルフをイメージするとわかりやすいかも知れません。
1 経営理念、長期目標の確認
ゴルフでは、毎ホールゴールが決まっています。会社経営でもここがはっきりしていないと、軸足のブレに繋がってしまいます。何のために事業をしているのか、社長の思いとかこだわりといったことを再確認してみてください。今まで考えたこともなく、これから決めるのでしたら、『誰に』『何を』『どのように』提供する事業なのかをはっきりさせるとよいでしょう。これは「事業ドメイン」といって、事業の展開領域を明示したものです。ゴルフも会社経営も基本は「スタンス」です。
2 現状実態の把握
平らな場所にボールがあるのか、斜面なのか、ラフの草にボールが沈んでいないかなど現状を確認します。売上高や利益額など基本的数値に加えて、それらに大きな影響を与えるデータも調べてみましょう。商品別売上高や取引先別売上高、飲食店なら、時間帯別来店者数、年齢別来店客数など、わかる範囲でかまわないので数値で把握しておくと、後で比較するときに便利です。
残念なことに、ここで挫折する人が多いのですが、「あれも調べたい。これも知っておきたい」と、むやみに細かく把握しようとするからです。正確性を追い求めるとキリがありませんので、計画を立てるための現状把握と割り切ってください。
それよりも大事なことは、原因を突き止めることです。うまくいっているのであれば、なぜうまくいっているのか、うまくいっていないのであれば、なぜうまくいっていないのかをじっくり考え抜いてください。データが不足する部分は仮説を立ててみるとよいでしょう。「売上が減少しているのは、陳列している商品の品揃えが原因かも知れない」とか、「来店客の減少は、接客態度に問題があるのではないか」という風に、思いつくままでもいいので、原因を探りましょう。経験の中である程度予測がつくかも知れませんが、それでも最初はOKです。経営上の問題は、いろんな原因が複雑に絡み合って発生していることが多いので、なぜ?を繰り返して本当の原因が何なのかを探るようにしてください。
<悪い例(販売会社のケース)>
売上の減少(なぜ?)→営業マンにヤル気がない(なぜ?)→給料が安い(なぜ?)→売上の減少???
堂々巡りに陥っています
<良い例>
売上の減少(なぜ?)→@提案件数の減少か?A成約率の低下か?B受注額の低下か?
@ 提案件数の低下(なぜ?)→1軒あたりの滞在時間増加?新規開拓数の減少? 顧客ニーズ把握力の低下?
A 成約率の低下(なぜ?)→営業マンのプレゼン力不足?提案資料?顧客ニーズの変化? 競合商品との差別化不足?
B 受注額の低下(なぜ?)→既存顧客との密着度の低下?ブランド力の低下?値下げ圧力?数量減少?
通常、一つの問題に対して、大枝、小枝と枝分かれしていきます。
3 今期達成したい目標の決定
原因がつかめたら、今度は目標を設定します。単に「前年比10%アップ」ではなく、どんなお客様に何を提供することで売上増を目指すのか、どの経費を見直して利益を確保するのかを明確にしてください。
また、ここで大切なことは、外部環境をよく見通すことです。景気の動向や競合他社など、経営に影響する環境も整理しておくとよいでしょう。ゴルフで言えば、風を読んだり、バンカーや池の位置をあらかじめ確認して、打つ方向や飛距離を計算するようなものです。このとき、会社の持つ資源(人、物、金、情報)も十分に吟味することが大切です。一気にグリーンを狙うのか、2打で確実に寄せて行くかなど、ゴルファー(経営者)の冷静な判断力が問われる場面です。
4 目標達成のためにやるべき施策の立案
クラブを選択してスイングを確認し、いよいよショットの準備に入ります。先ほど決めた目標に従い、どうやって目標を実現するのかを具体的に練っていきます。以前に失敗した施策でも、状況が変わったり、やり方にひと工夫加えることで、効果が出ることもあります。また、あれこれと中途半端に手を出すよりも、一極集中で局面全体を打開できることもあります。大事なことは、お客様の声に耳を傾けるため、お客様に普段接している社員の意見も十分に取り入れて、実現性、効果性の高い施策を立案してください。
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